2016年11月30日
兵庫県の葬儀は、お通夜、葬式、出棺、火葬という順序で進行していくのが一般的です。お通夜は親族や生前親しくしていた方が集まり僧侶の読経と講話を聞きます。夜を通して棺の前に立ててある蝋燭の灯が消えないように交代で寝ずの番をして見守ります。灯が消えてしまうとあの世へ行く道が真っ暗になり、故人が迷って道を進めなくなるからだと言われています。灯を見守りながら親族が語り合い生前の個人を偲びます。葬式は通夜の次の日の午前中に行われます。最近は香典を辞退すると通達する遺族が多くなっています。辞退の旨を伝えても持参する参列者もいます。
兵庫県では、香典袋は白と黄色の水引きのものが一般的に使用されます。香典返しはその日に返すのではなく、四十九日の時に返すあと返しが一般的で半返しが相場の様です。通夜、葬式の参列者には、お清め塩の小袋のついた日本茶の包みが渡されることが多いです。喪主は配偶者や、子息がいれば長男が行い参列者に挨拶をします。葬式の時に祭壇の両端に飾られる供花は全国的には菊の花が飾られますが、兵庫県では樒(しきみ)が飾られます。これは緑の葉の常緑樹でお墓にもこの樒を飾ることが多いです。樒は枯れることがないので仏の永遠性を表すものという意味があります。
地域によって焼香の仕方の違いもあり、抹香ではなく水で焼香する場合もあります。「水焼香」と呼ばれる風習で樒に水をつけ三回棺に水を振りかけます。樒が香木なので水をつけると香水になり、その水を振りかけるので、香りを添えることになり、焼香と同じ意味を持つようになると言われています。出棺の時、地域によっては棺を三度回す「三度まわし」「棺まわし」と呼ばれる風習があります。棺を回して方向感覚をなくさせ、現世に戻って来ずあの世へ無事に旅立ってほしいという願いが込められているそうです。故人のお茶碗を割るというのは全国的に見られますが、一部地域では、茶碗を割るのは女性が行うと決められているところがあります。
大抵は親族のみがマイクロバスやタクシーなどを使って火葬場に移動します。火葬をし、そのあとお骨拾いを親族が行います。長い菜箸を使いお骨を拾います。その際に喉仏を血縁の深い人が拾い骨壺に納めます。葬儀会館などに戻り、親族で食事を食べながら故人を偲びつつ、今後のことなどを親族で話し合う時間を過ごします。遠方からの親族などこの機会に細かな話をして帰ります。
● 参考情報
新社会人朝倉の知っておきたかった葬儀の知識
http://www.shinshakaijin-sogi.com/
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